概念を最初に導入したのは、ケルヴィン(トムソン)であるが、
熱力学の第3法則:絶対零度におけるすべての系のentropyは常にゼロにとれる(Nernst’s theorem)。
を主張したのは、ネルストである。面白いことにネルスト自身は、エントロピーという言葉が嫌いだったという。
2.2 熱力学的なEntropyの計算
我々は2.1.6で、全微分でないに積分因子
を乗じた、
を
と置くことで、熱力学的な状態量であるエントロピーを導入した。エントロピーの存在はこれによって与えられたが、実際にそれを求める手段は、可逆的な過程に沿った積分である。
すなわち、ある系が温度Tという状態にある時のentropyは、一般的な熱容量heat capacity、C(T)を用いて、
で求めることができる。
ここで熱量がわからないと、積分はできないが、この定義から熱容量の性質で簡単に導けることがある。すなわち、上記の積分式において、T→0の時には、エントロピーSも0になる。それゆえ、C(T)→0とならなければならない。
実際の熱容量は、体積か、圧力かのいずれかを一定して計られている。したがって、実際の計算で使われるのは、
あるいは、
である。ここで、は、体積一定の下での熱容量(定積熱容量)と呼ばれる量であり、
は、圧力一定の下での熱容量(定積熱容量)と呼ばれる量である。上記の
を導く時には、
エネルギー保存則を拡張した、(エネルギー+熱)の保存則、