をもちいた。この式は、いずれの過程を辿る変化でも成立するため、計算においてよく使われる。
熱容量に関して手掛かりが掴めたとして、さらに、実際に積分する時は、どの状態変数を独立にするか、すなわち、どのような空間の曲線に沿って線積分するかを決めなければならない。それに応じて、どのような熱容量が使えるかをしらべてみる必要がある。例えば、独立変数をT, Vの2つとすれば、いわゆるT-V図が描ける空間内の曲線に沿って積分することになる。実際の積分はそれぞれの変数ごとにまとめて実行する。
例をあげよう。まず、状態量を表現する状態変数のうち、VとTを独立とする。そうすると、
これにより、
ここで、定積熱容量を使うと、
だから、
となる。
完全気体のエントロピー
以上は一般的に成り立つが、これをN個の分子からなる完全気体に適用してみる。完全気体Perfect Gas(理想気体Ideal Gas)、については、
が成り立つ。ただしは、ボルツマン定数、
は気体のモル数である。また、完全気体のエネルギーは体積に依存しない。すなわち、
である。したがって、この場合には、上のエントロピー微分の最後の項は、ゼロになる。したがって、積分すれば、