論理回路の完全な組
ある一組の論理回路、例えば、AND, NOT, ORを選択すれば、他の論理回路は実現できる。これを素子の組の万能性という。例えば、NANDは、それだけで万能性を有している。NANDはANDとNOTで表現できるから、ANDとNOTも万能性を有する。同様にNORも万能性を有している。
等価回路
外部への動作としては等価な回路はいくつも考えられる。実用的には、素子の数が少ないとか、結線の数が少ないなどが問題にされる。しかし、多量に製造される今日の汎用の回路では、それほどの効率は追求されない。
可逆回路
論理回路からの出力が入力より少ないと出力から入力を復元することは不可能になる。こうした回路を不可逆回路という。これに対して、入力を復元できる回路を可逆回路という。熱力学の可逆過程のように、可逆回路による計算はエネルギー消費が低いことが予想される。また、その代償として速度が遅いことも予想される。可逆性を保ちながら速度を落とさない演算回路の開発が量子計算の一つの目標である。
回路の設計
論理回路は、与えられた多変数のブール関数の真理表を実現するように作成される。変数の制限なく、どんなブール関数もの組み合わせで表現される。ブール関数が論理式として与えられている場合、その真理表を求めることは、基本となる論理式に分解し、その真理表を参考にすれば容易に作成できる。その逆の場合、ブール関数の真理表が与えられえている場合は、ブール関数値が1であるものと0であるものに注目して、それぞれの行ごとに
だけで結合された論理式を
でさらに結合した表現(主選言(加法)標準形)とするか、0であるものだけに注目して、それぞれの行ごとに
だけで結合された論理式を
でさらに結合した表現(主選言(乗法)標準形)とするか、に整理すればよい。(演繹的な推論の項参照)