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となる。
ただし、ここで理想気体の状態方程式
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で、分子は1個と仮定しているから、
を使っている。
したがって情報量1ビットを処理するのに、
のエネルギーを必要とするが、これは、(
はボルツマン定数
である)、約
に当たる。フォン・ノイマンはこの量は、何らかの情報処理をする時は必ず諸費しなければならないエネルギー量であると指定した。Feynmanは、トランジスター回路の場合、1スイッチ当たりのエネルギー消費は、
と見積もっている。生体の中でDNAを鋳型としてRNAがコピーされる過程では、RNAポリメラーゼが酵素として働くが、ビット当たりに換算しておよそ
ほどのエネルギーが使われていると見積もっている(Feynman,
p.166)。
こうした情報処理に伴うエネルギーの散逸は、計算過程においても発生する。この時重要なのは、計算のエネルギー消費は、計算のスピードに依存していることである。すなわし、可逆回路のようなエネルギー効率のよい回路を使って、ゆっくりと計算すれば、エネルギー消費は少なくてすむ。このトレイド・オフをどう有利にするかが問題である。こうした問題は、量子計算にも引き継がれる。
7.4 量子論理と量子計算
7.4.1 はじめに
量子情報Quantum Informationと量子計算Quantum Computationとは、量子物理学、数学、計算学Computationの学際領域に位置する密接に関連した姉妹的な研究分野である。
このうち、量子計算の関心は、量子力学系をもちいた計算システムの実現にあり、量子情報の関心は、同じく量子力学の原理を応用した通信にある。この双方を意味する時、我々は量子情報計算という言葉を使うことにする。
今日では量子情報計算が一つの学際的、融合的な研究領域となってきている。この領域には、さまざまな研究課題が含まれているので、全体を概観すること自体が難しいが、この目的で最も適した本は、