がある。コーヒレンスは、レーザーなどの光学系ではよく研究されているが、多数の2状態系からなる複合系である量子計算系のコーヒレンスを維持する問題は、量子計算実現に立ちはだかる障害である。
誤り検出と訂正
量子計算過程においてはある確率で誤りが生ずることが避けられないと考えられている。そのために、量子計算では必然的に誤りを検出し、訂正する操作を組み込んでおく必要がある。誤り検出と訂正問題は、シャノンの情報理論においても主要な問題であり、理論的な考察が行われている。
量子情報計算への期待
量子計算の応用
量子計算の応用はもちろん量子計算機の開発である。では量子計算機として実際にどのような応用が期待されているのだろうか。量子計算機が原理的に計算できることは、現在の計算機すなわち古典的なチューリング・マシンと変わらない。ゆえに、量子計算機の効用は大きさ、速さ、エネルギー消費と実用性にある。
大きさについてのファイマンの最初のアイデアは、「計算機を小さくすることには物理学的な限界は存在せず、原子や電子あるいは素粒子1つに1ビットを記憶できるまでになるだろう」というものであった。実際に記憶や演算の回路がどのようなものになるかは定かでないが、現在の計算機より桁違いに小さくなるだろうと期待されている。
エネルギー消費も桁違いに少なくなると期待されている。
しかし最も基本的な効用は早さである。それによって何を計算するかと言う応用に関して焦点となっているのが暗号である。RSA方式に代表される現在の公開鍵という方式の核心部分は、ある数を素数に分解することである。この数が大きくなると素数分解は急激に困難となる。公開鍵方式の安全性はこれによって保証されているが、量子計算機が実現すると、素数分解が容易になるため、公開鍵方式の安全性が保証されなくなると予想されている。
因数分解
この問題に関心が集まったのは、ATT(当時、現在のルーセントテクノロジー)のBell研究所のシュアP.W. Shorが、